Special Feature

ホテルの
乾燥対策ガイド

雪の降る冬の夜、ビジネスホテルの客室でベッド脇の加湿器からミストが出ている様子

ホテルで一晩寝て、朝起きたら喉がカラカラ。肌はつっぱるし、コンタクトもなんだかゴロゴロする。冬のホテルでこんな経験、ありませんか。

実はホテルの客室は、家よりも乾燥しやすい作りになっています。この記事では、その理由と、主要15チェーンの加湿器事情(部屋に置いてあるのか、借りるのか)、そして加湿器が使えないときの応急処置までまとめました。泊まる前にちょっと知っておくだけで、翌朝の喉の調子がけっこう変わりますよ。

01ホテルの部屋が乾燥しやすい理由

ホテルの客室が乾燥しやすいのには、ちゃんと理由があります。ポイントは「冬の乾いた外気を入れて、それを暖めている」ことです。

① ずっと換気している
ホテルは法律で換気が義務づけられていて、窓が開かなくても外の空気が少しずつ入れ替わっている
② 冬の外気はもともと乾いている
冷たい空気は水分をあまり含めない。その空気を暖房で温めると、湿度の数字がぐっと下がる
③ 浴室の換気扇が回りっぱなし
ユニットバスの換気扇は24時間動いていることが多く、部屋の湿気も一緒に外へ出ていく
④ 温風が顔に当たる
エアコンの位置によっては、寝ている顔に温風が直接当たり、体感の乾燥がさらに強くなる

この結果、冬に暖房をつけっぱなしで寝ると、客室の湿度は20%台まで下がることもあります。家の寝室よりも乾きやすいと感じるのは、気のせいではないんです。

02乾燥すると、どこがつらい?

ビルの空気環境の基準(建築物衛生法)では、室内の湿度は40〜70%が目安とされています。20%台はこれをかなり下回る状態です。

部位起こりやすいこと
喉・鼻朝の喉の痛みやイガイガ。喉や鼻の粘膜には異物を外へ押し出す働きがあるが、乾燥するとこの働きが弱まる
肌つっぱり感、かゆみ。顔に温風が当たる部屋だととくに出やすい
目ショボショボする、ゴロゴロする。コンタクトレンズの人はとくに気になりやすい
睡眠喉の渇きで夜中に目が覚める。翌朝の疲れが残る

喉の粘膜の働きが乾燥で弱まると、ウイルスを外に出す力も落ちるとされています。風邪やインフルエンザがはやる時期の出張や受験の前泊なら、乾燥対策はしておいて損はありません。

03主要15チェーンの加湿器事情

では、実際にホテルの部屋に加湿器はあるのか。主要15チェーンについて、公式サイトで確認できたことと、東京の店舗の楽天トラベル掲載情報を並べてみました。

チェーン公式で確認できたこと東京の楽天掲載
JR東日本ホテルメッツすべての客室に加湿機能付き空気清浄機(公式FAQ)11軒すべて部屋に設置
相鉄フレッサインチェーンの標準仕様として加湿空気清浄機(公式発表)16軒中14軒が設置、2軒が貸出
ダイワロイネットホテル加湿機能付空気清浄機を完備(メーカー・タイプはホテルにより異なる)6軒すべて設置
東横イン冬季は全室に加湿器を用意44軒中36軒が設置、5軒が貸出
ルートイン全客室に加湿空気清浄機を導入したと案内する店舗あり5軒すべて設置
コンフォートホテル全客室に加湿空気清浄機を設置(店舗の案内)5軒中3軒が設置、1軒が貸出
スーパーホテル客室備品に加湿器付空気清浄機(店舗の案内)19軒中12軒が設置、4軒が貸出
リッチモンドホテル全室に加湿空気清浄機(店舗の案内)4軒中3軒が設置
ホテルマイステイズ加湿器を貸出品として用意する店舗あり14軒中12軒が設置、1軒が貸出
三井ガーデンホテル公式サイトでは確認できず12軒中8軒が設置、1軒が一部の部屋
ヴィアイン公式の客室案内では確認できず6軒すべて設置
アパホテルフロントで加湿器を貸出(台数に限りあり)64軒中49軒が貸出、5軒が設置
ドーミーイン加湿空気清浄機を完備と案内する店舗あり(系列の「野乃」など)8軒中6軒が貸出、1軒が設置
変なホテル全室に加湿機能付き空気清浄機と案内する店舗あり(舞浜)5軒中4軒が貸出
ホテルリブマックス無料で貸し出す店舗あり(先着順・数に限りあり)34軒中16軒が設置、5軒が貸出、13軒は記載なし

ざっくり言うと、メッツ・相鉄フレッサ・ダイワロイネット・東横インあたりは「部屋にある」前提でOK。一方でアパホテルは「借りる」のが基本です。ドーミーインや変なホテルのように、店舗によって置いてあったり貸出だったりするチェーンもあります。

⚠️
同じチェーンでも店舗で違います
ドーミーインや変なホテルは、公式で「完備」と案内している店舗がある一方、東京の店舗の楽天掲載は「貸出」が中心でした。古い店舗と新しい店舗で設備が違うこともあります。どうしても必要なら、予約したホテルの公式ページかフロントで確認しておくと安心です。

部屋にあっても「タンクが空」のことが多い

ここ、意外と知られていないポイントです。部屋に加湿空気清浄機が置いてあっても、タンクに水が入っていないことがよくあります。

これは手抜きではなく、衛生のため。タンクに水を入れっぱなしにすると雑菌やカビが増えやすいので、ホテルは空にして置いているんです。たとえばホテルメッツは公式FAQで「タンクは衛生管理上、空にしておりますので加湿機能をご利用の際はお水を入れてください」と案内していますし、リッチモンドホテルも衛生面から事前に水を入れていないと説明しています。

💡
部屋に入ったら、まずタンクをチェック
電源を入れても「空気清浄」しかしていない、ということがよくあります。タンクを外して洗面所で水を入れ、加湿モードになっているか確認しましょう。寝る直前より、チェックインしてすぐに入れておくほうが、寝るころには部屋が潤っています。

全室に加湿空気清浄機があるホテルに泊まる

JR東日本ホテルメッツ渋谷(楽天トラベル)

04部屋にないときは「借りる」

部屋に加湿器がなくても、あきらめるのはまだ早いです。アパホテルやリブマックスのように、フロントで無料で貸し出しているホテルはけっこうあります。

借りるときのコツ

① チェックインのときに頼む
貸出は台数に限りがあり、先着順のことが多い。冬は夜になるほど品切れしやすい
② 心配なら事前に電話
予約はできないホテルが多いが、在庫の状況や貸出の有無は聞ける
③ 貸出品は無料のことが多い
今回確認したチェーンでは、加湿器の貸出は無料の案内がほとんど
④ 楽天の「加湿器(貸出)」表示も目安に
楽天トラベルの客室設備欄で、置いてあるのか貸出なのかが分かることがある

05借りられないときの応急処置

貸出が全部出払っていた、そもそも貸出がない——そんなときに部屋にあるもので何とかする方法です。効果の大きい順に並べました。

方法効果の目安やり方のポイント
バスタブにお湯をためて、浴室のドアを少し開ける◎ 部屋全体に効く湿度が28%から50%まで上がったという実測例もある。熱すぎないお湯(40℃前後)で、ドアは少し開ける程度に
マスクをして寝る○ 喉にはよく効く部屋の湿度は変わらないが、自分の吐く息で喉と鼻が潤う。喉が弱い人はこれだけでもかなり違う
濡らしたタオルを干す△ 1枚だと小さめ1枚だけでは効果は小さく、すぐ乾いてしまう。バスタオルも含めて何枚か、よく絞ってハンガーに掛ける
コップに水を置く× ほぼ期待できない水面が小さすぎて、部屋の湿度を上げるほどの効果は期待しにくい

いちばん手軽で効くのは、お湯をためる+マスクの組み合わせです。お湯で部屋全体を少し潤しつつ、マスクで喉を守る。ユニットバスの部屋ならすぐにできますよ。

やってはいけないこと

🚨
熱いシャワーを出しっぱなしにしない
湯気が一気に部屋に広がると、火災報知器が反応してしまうことがあります。館内に非常ベルが鳴り響く騒ぎになりかねないので、湯気をたくさん出す方法は避けて、お湯はためるだけにしましょう。
⚠️
エアコンの吹き出し口にタオルを掛けない
風の通り道をふさぐと故障の原因になりますし、水が垂れて中に入ると危険です。濡れタオルはハンガーで、家具や床を濡らさない場所に干してください。

携帯用の加湿器を持っていくなら

USBでつなぐ小さな加湿器やペットボトルに挿すタイプを持参する人もいます。持ち込みのルールはホテルごとに違うので、気になる場合はフロントに一言確認しておくと安心です。使うときは、次の点に気をつけましょう。

  • 火災報知器の真下や、天井に向けて噴き出す置き方は避ける
  • パソコンのそばに置かない。倒れても大丈夫なように、洗面台やトレーの上に置く
  • 水は毎日入れ替える。前の日の水を使い回すと雑菌が増えやすい

06東京1,911軒のデータで見る加湿器事情

最後に、当サイトが集めている東京のホテル1,911軒の楽天トラベル掲載情報から、客室設備欄の加湿器の記載を数えてみました。

グループ部屋に設置貸出記載なし
主要15チェーン(253軒)55%30%14%
それ以外(1,658軒)16%15%67%
全体(1,911軒)21%17%60%

※「一部の部屋に設置」(全体で32軒)は表から省いているため、合計は100%になりません。

はっきり差が出ました。主要チェーンなら、部屋にあるか借りられるホテルが8割を超えます。一方で、それ以外のホテルは3軒に2軒が「記載なし」。個人経営のホテルや、デザイン重視の小さなホテルに泊まるときは、加湿器がない前提で準備しておくのが安全です。

📌
「記載なし」=「ない」とは限りません
この数字は楽天トラベルの客室設備欄に書かれているかどうかで、ホテルが掲載していないだけのこともあります。また、前の章のとおり公式情報と食い違う店舗もありました。傾向をつかむ目安として見てください。

07泊まる前のチェックリストとまとめ

タイミングやること
予約するとき楽天の客室設備欄や公式サイトで「加湿器」か「加湿器(貸出)」の表示を見る。どうしても必要なら全室設置のチェーンを選ぶ
荷造りのときマスクを1枚入れておく。喉が弱い人や受験・大事な商談の前泊なら、携帯用加湿器もあり
チェックインのとき部屋にない場合は、その場で加湿器の貸出を頼む(夜になるほど品切れしやすい)
部屋に入ったら加湿空気清浄機のタンクに水を入れ、加湿モードになっているか確認する
寝る前加湿器がなければバスタブにお湯をためて浴室のドアを少し開け、マスクをして寝る

まとめると、ホテルの部屋が乾燥するのは換気と暖房の仕組み上しかたのないこと。でも、主要チェーンならたいてい加湿器が部屋にあるか借りられますし、なくてもお湯とマスクでかなりしのげます。いちばんの落とし穴は、部屋に加湿器があるのにタンクが空のまま寝てしまうこと。部屋に入ったら、まずタンクをチェックしてみてくださいね。

なお本記事のチェーン情報は各社の公式サイト(2026年10月時点で確認)、軒数は当サイトが収集している楽天トラベルの掲載情報(東京1,911軒)に基づいています。設備は店舗や時期によって変わることがあるので、気になる場合は予約前にホテルへ直接ご確認ください。

加湿空気清浄機が全室にあるホテル:今すぐ料金を確認

駅近で全室に加湿機能付き空気清浄機

JR東日本ホテルメッツ渋谷(楽天)

チェーン標準で加湿空気清浄機

相鉄フレッサイン 日本橋茅場町(楽天)
📝ひとこと

冬は必須ですよね。個人的には、使う前にタンク自体の汚れもチェックしておきたいです。